大学数学の証明ができないときの対処法

どうも、木村(@kimu3_slime)です。

大学に入学して大学数学に触れると、証明ばかりで驚き、戸惑うこともあるでしょう。

今回は理学部数学科で学んだ僕が、証明ができないときの対処法を紹介します。

 

なぜ証明が重視されるか

まず、なぜ大学数学で証明が重視されるかをお話して、その理不尽感を減らしましょう(笑)。

数学科向けの授業では、明らかに高校までの数学に比べて重視しているにもかかわらず、当たり前のこととして、なぜ証明が必要なのかあまり説明してくれません。少なくとも僕が受けた講義ではそうでした。

大学数学で証明を重視する理由は、「既に作られた数学を使う側から、新しく数学理論を作る側に回る準備のため」と僕は考えています。

詳しくは:数学の証明とは何か、なぜ必要なのか?高校数学と大学数学のつながり、違い・ギャップを解説

 

高校までの数学は、およそ紀元前から17世紀頃までに作られたものです。大学入試では、それらを使いこなせるようになることが、ひとつの目標となっているのでしょう。

大学の学部の数学では、18~20世紀頃の比較的新しい数学を学びます。特に数学科では、それらを使いこなせるだけでなく、「作られたものが本当に正しいか、正しいと言える理由は何か」を説明できる能力が期待されているのです。

いきなり数学の理論を作るのは難しいです。そこで、まずは既存の数学に触れて、それを証明を通じて正しさの保証の仕方、誰にでも納得できる論理的な発表の方法を知る。それは数学を専攻する人の、学部におけるひとつの目標ではないでしょうか。

その後、数学を研究するにせよ、数学を利用するにせよ、「使っている数学という道具が、どうして正しいか説明できる」こと。それが数学を専門とした人の大きな武器となります。

 

また、理論を作る側というほどでなくても、単に数学を学ぶ・使うだけでも証明を読み解く能力は求められます。現代の数学は集合・論理をベースにして構築されているのです。

それらが必要とされる理由は、既存の数学の幅広い拡張を目指した抽象化によるもの、無限や極限を精密に扱うための厳密化によるものがあるでしょう。前者の例としては群・環・体などの抽象代数学、後者の例としてはフーリエ解析ルベーグ積分などがあります。

参考:厳密さ・証明が現代数学で要求されるのはなぜ? 近代数学の歴史をたどる

 

どうやって証明ができるようになるか

「大学数学において、ある程度証明が重要なのはわかった。でも高校までの数学は計算ばかりで、証明問題をどうやって解けば良いかわからないんだ。」

実際、僕はそういう感じでした(笑)。学部1年の数学の講義では、いきなり証明の連続から始まっていき、学ばなくてはと思いつつ、どうやって考えれば良いのかわからなかったんですよね。

もしあなたが大学生ならば、良い方法は、数学の演習科目の時間を利用することです。友達や先生、数学相談室に相談するのも良いでしょう。教科書は自分の弱点、証明についてどうやって考えれば良いか、書いてあるかことが少ないです。友達や先生に、自分の数学の証明を説明・発表して、それを訂正してもらうのが一番力になります

 

実際の僕は、当時はそんな勇気も友達もなく(笑)、自分で何が必要なのか本を探しながら考えていました。ひとりで試行錯誤する力は、それはそれで大事です。

僕が証明ができるようになるまでに身に着けた知識は、主に論理学です。数学の教科書、証明は、論理の言葉で書かれています。

キーワードは、「かつ、または、ならば、任意の、存在する」で、これらを実用的に扱えることが大事です。このサイトでは、多くの記事で、その考え方を紹介しています。

 

また、教科書や講義で与えられる定理・証明の多くは、簡単ではありません。いきなり理解できなくても、がっかりしないでださい。人前で間違えても、恥ずかしいと思わないでください。そういうものです。やがてわかるようになります。学び始めは、修行期間なのです。

本1ページ読み進めたり、ときには1行の行間の論理的説明を思いつくのにも、時間はかかります。同じ問題を、一週間や一ヶ月、考え続ける力も、数学専攻の人としては求められます。そういう力は、研究するときのベースになるので。

しかし、どんな証明問題も、全く手がつけられないということはありません。まずは、そこに登場する記号や言葉の定義を確認すること、仮定や結論は何なのかを明確にしてみましょう。落ち着いて手を動かしていれば、解ける場合があります。ダメならば、もっと単純な問題に置き換えてしまうことです。

参考:手の付け方がわからない数学の問題の解き方:定義を確認し、単純化しよう

 

数学の論理を学ぶためのおすすめの教科書は、次のページで紹介しています。特に線形代数を学ぶにあたり、集合や写像の用語がわかっていないと、証明につまづくケースがあるでしょう。

参考:大学入学前に数学を予習したい人におすすめの本・勉強法

微積分や線形代数を学びながらも、論理や集合の本を読むのは遠回りに感じるかもしれません。が、僕はそれを通してやっと数学の証明のやり方が理解できるようになりました。

 

以上、大学数学の証明ができない・わからない悩みへの考え方と、その対処法を紹介してきました。

証明が難しくてわからなくて、不安になる気持ちはよくわかります。焦りすぎず、地道に論理に関する理解を深めることで、必ず(簡単な)証明はできるようになります。少しずつわかることを増やしていきましょう。

木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。

 

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