手の付け方がわからない数学の問題の解き方:定義を確認し、単純化しよう

どうも、木村(@kimu3_slime)です。

数学では、手の付け方がわからない問題に出会うことがありますよね。今回は、「定義を確認し、単純化しよう」というアドバイスをします。

 

定義を確認する

例として、次のような数学の問題を考えましょう。実際には、もっと難しい問題、簡単な問題でつまづいているかもしれませんが、考え方を参考にしていただけたらと。

\(a=2\)のとき、\(|\sqrt{2}-a|+|\sqrt{2}+a|\)の値を求めよ。

この問題を目にして、何をすればいいかわからなくなったとしましょう。そこで何もせずに「答えを教えて下さい」と聞いたり、回答を見始めるのは、数学の勉強としては微妙です。

たとえ回答にたどり着かなくても、自分の頭を使って、わかることを書いていくのが大事です。

そのひとつが、言葉の意味、定義を書く・確認することです。

ここで言えば、絶対値記号\(|x|\)の確認です。これはその中身が0以上ならばその値を、マイナスならばそのマイナス1倍した値を返します。

\[|x|= \begin{cases}x & (x \geq 0 )\\-x & (x<0)\end{cases}\]

といった定義式が、教科書や参考書に書いてあるのではないでしょうか。まずはこうした記号や言葉の意味の確認が大事です。

「そんなの当たり前だよ」と思っているようなことでも、確認しようとしてみると、自分がわかっていないことに気づき、だから問題解決の糸口が見つからない、ということはよくあります。

例えば、\(|4|=4\)、\(|3-5|=|-2|=2\)です。この問題を解くには、まずは絶対値の基本的な扱い方を知っておく必要があります。

 

問題を単純化、分割する

それでも、問題「\(a=2\)のとき、\(|\sqrt{2}-a|+|\sqrt{2}+a|\)の値を求めよ。」まだ難しく見えるとしましょう。

まずはわかる部分から手を付けていくこと、単純化や分解をすることです。

この問題ならば、\(|\sqrt{2}-2|\)と\(|\sqrt{2}+2|\)のそれぞれの値を求めて、それを足し合わせる問題として分解できます。

\(|\sqrt{2}-2|\)を求めよ。

\(|\sqrt{2}+2|\)を求めよ。

分解された1つ1つの問題は、元の解きたい問題より簡単になっています。前者の値がわからなくても、後者はわかる、ということはありますよね。\(\sqrt{2}\)はプラスなので、\(|\sqrt{2}+2|=\sqrt{2}+2\)となると。

 

前者\(|\sqrt{2}-2|\)の値がわからないときはどうすれば良いでしょうか。絶対値の定義を確認したところによると、その中身\(\sqrt{2} -2 \)が正か負かによって変わってきます。

もし\(\sqrt{2}\)という記号のせいでよくわからなくて判定できないなら、\(\sqrt{2}\)でなく、\(|5-2|\)や\(|1-2|\)、\(|-3-2|\)のときどうなるか考えてみたらどうでしょうか。左側にある数が、\(2\)より大きいかどうかによって変わってきます。

つまり、\(\sqrt {2} \geq 2 \)なのか\(\sqrt {2} < 2 \)なのか判別できれば良いです。

 

正しいのは、\(\sqrt{2} <2\)です。

「\(\sqrt{2} \simeq 1.41\cdots \)なので……」という近似値を覚えていれば、それで良いです。\(\sqrt{2}\)という数字を見て、およそどのくらいの数(1以上2以下)と判定できると楽でしょう。

根本的には、\(\sqrt{2}\)に限らず、ルートの定義や性質がよくわかっていない可能性があります。教科書や参考書を振り返ってみましょう。

\(\sqrt{2}\)は、\((\sqrt{2})^2 =2\)を満たす正の数です。一般に、中身が大きくなればルートは大きくなる:\(a \leq b\)ならば\(\sqrt{a} \leq \sqrt{b}\)という性質があります。それによれば、\(2 \leq 4\)なので、\(\sqrt{2} \leq \sqrt{4} =\sqrt{2^2} =2\)です。

参考:ルートの近似値の求め方 不等式を使って大小比較

 

以上をまとめれば、

\[|\sqrt{2}+2|=\sqrt{2}+2\]

\[|\sqrt{2}-2|= -(\sqrt{2}-2)\]

なので、

\[|\sqrt{2}-2|+|\sqrt{2}+2|= 4\]

と求められました。

 

おまけ:一般化する

上の問題が解けて、より理解を深めたいならば、問題をできる範囲で一般化してみると良いと思います。

\(a\)を実数とするとき、\(|\sqrt{2}-a|+|\sqrt{2}+a|\)の値を求めよ。

絶対値のポイントは、中身が正か負かによって場合分けされることです。したがって、\(a < -\sqrt{2}\)か、\(-\sqrt{2} \leq a < \sqrt{2}\)か、\(\sqrt{2} \leq a\)のいずれかに場合分けして解けます。

この一般化された問題の立場からすれば、以前に問いた問題は\(\sqrt{2} \leq a\)に該当するケースだった、というわけです。もし最初に与えられたのが一般的な形の\(a\)だったならば、\(a=4\)や\(a=0\)など「具体値を入れた問題が解けないか?」と考えるのが手の付け方となります。

特殊で簡単なケースを解けなければ、一般的な問題は解けないことがほとんどですし、手を動かしてみた結果から一般的なやり方が見つかることはよくあるものです。

\(a\)を実数、\(b\)を正の実数とするとき、\(|\sqrt{b}-a|+|\sqrt{b}+a|\)の値を求めよ。

上のように一般化した問題を、いきなり見ると面食らうかもしれません。それでも、「\(a=0\)、\(b=1\)ならどうだろう?」と具体的に少しずつ書いていけば、やがて解くことはできるでしょう。

 

以上、手の付け方がわからない数学の問題の解き方として、

  • 問題文の中に出てくる記号や言葉の定義を確認すること
  • 問題をいくつかの部分に分解すること
  • 自分の知ってる・解ける問題に単純化すること
  • 一般的な問題を解くには、具体的なケースで解けないか考えること

を紹介してきました。

今回具体例として挙げた問題は簡単で、もっと難しい問題につまづくことは多いでしょう。それでも、今回示した方針によれば、「何も書かずに回答できない」ということは起こりえません。

地道に定義や仮定、よく知られた性質・定理を確認していくことで、たとえ完全には解けなくても、何かしらの収穫は得られます。そうした小さな発見を積み上げていくことが、難しい問題を解けるようになっていくために必要なことではないでしょうか。

木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。

 

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