ルートの近似値の求め方 不等式を使って大小比較

どうも、木村(@kimu3_slime)です。

今回は、ルート・無理数の近似値の求め方、中学生が手計算でできるレベルの不等式を使った方法を紹介します。

 

覚えるだけでなく、求め方を知ろう

ルートで表される数は、具体的にはどれくらいの大きさの数なのか。

\[\sqrt{2}=1.414\cdots\]

\[\sqrt{3}=1.732\cdots \]

\[\sqrt{5}=2.236\cdots\]

語呂合わせで、「ひとよひとよに」「人並みに」「富士山麓に」……といった覚え方は昔から有名です。

もちろん、これを使って近似計算をすることもあります。\(\frac{\sqrt{2}}{2}\)という値を見て、だいたい\(0.7\)くらいなんだなと思えるのは大事です。

ただ、その値を覚えておくことだけでなく、なぜこんな値になっているのか、大雑把で良いから導き出す力も大事だと思います。

 

ルートの大小関係

ルートで表される数の大小は、ルートの中身の大小によって比較できます。例えば、

\[\sqrt{1}\leq \sqrt{2} \leq \sqrt{3}\leq \sqrt{4}\]

といったように。\(\sqrt{1}=1,\sqrt{4}=2\)なので、この不等式をによって\(\sqrt{2},\sqrt{3}\)が1以上2以下の数であることがわかります。

 

一般には、正の数\(x_1,x_2\)に、大小関係\(x_1 \leq x_2\)があるならば、\(\sqrt{x_1}\leq \sqrt{x_2}\)が成り立ちます。逆も同じです。(これは無理関数\(f(x) = \sqrt{x}\)の単調増加性と呼ばれる性質です。高校数学で扱います)

つまり、よくわからないルート\(\sqrt{x}\)の値を求めたければ、それより小さい数や大きい数によって挟み込めば良い、という方法が取れるわけです。

 

整数で評価してみよう

\(\sqrt{10}\)の整数部分を求めてみましょう。

\[3=\sqrt{9}\leq \sqrt{10}\leq \sqrt{16}=4\]

なので、3以上4以下の数です。

 

\(\sqrt{114}\)の整数部分を求めてみましょう。

さまざまな自然数の2乗の値を知っておくと、当たりがつけやすくなります。\(10^2=100\)は簡単です。\(11^2=121\)も暗算でできるくらいの数です。これでちょうど挟み込めました。よって、

\(10\leq \sqrt{100}\leq \sqrt{114} \leq \sqrt{121}\leq 11\)

で、10以上11以下の数。

 

\(\sqrt{8316}\)の整数部分を求めてみます。

いきなり精度良く求めるのは難しいです。まずはおおざっぱに、\(100^2=10000\)から始めてみましょう。

100よりは小さいと。では、\(90^2\)はどうかといえば、\(8100\)です。少なくとも、\(90\leq \sqrt{8316} \leq 100\)がわかります。

このルートの値を使う目的によりますが、近似値としてはこれで十分だと思えればそれで終わりで良いです(笑)。掛け算九九を知っているだけで、\(\sqrt{8316}\)が90以上100以下であることくらいはわかります。

\(90^2\)よりもう少し増やしたいので、\(92^2\)を計算してみます。

\(92^2 =(90+2)^2 =90^2+2\cdot2\cdot90+2^2 \\ =8100+360+4=8464\)

もう少し小さいです。\(91^2\)を計算すれば

\(91^2 =(90+1)^2 =90^2+2\cdot1\cdot90+1^2 \\=8100+180+1=8281\)

です。良かった。これで、\(8281\leq 8316 \leq 8464\)なので、\(91\leq\sqrt{8316} \leq 92 \)がわかりました。

 

小数点以下1桁まで求めてみよう

以上では整数部分のみを評価しましたが、小数点以下1桁まで求めることもできます。

\(\sqrt{2}\)は1以上2以下とわかりましたが、より細かく言えばどのくらいの値なのか。

小数の2乗の計算をしても良いのですが、桁がずれて迷いやすいので、整数の形に直して僕はやっています。つまり、\(\sqrt{200}\)の整数部分を求めてから、\(\sqrt{200}=10\sqrt{2}\)なので\(10\)で割れば良いわけです。

\(13^2=169,14^2=196,15^2=225\)なので、\(14\leq \sqrt{200} \leq 15\)です。ここで各辺を10で割れば、\(1.4 \leq \sqrt{2} \leq 1.5\)がわかりました。

 

\(\sqrt{3}\)でやってみます。\(\sqrt{300}=10\sqrt{3}\)を評価しましょう。

まず、\(20^2=400\)よりは小さいです。\(17^2=100+140+49=289\)です。だいぶ近づいた。\(18^2=100+160+64=324\)。

これで、\(17\leq \sqrt{300}\leq 18\)がわかりました。10で割れば、\(1.7\leq \sqrt{3}\leq 1.8\)です。

 

\(\sqrt{5}\)も同様に、\(\sqrt{500}=10\sqrt{5}\)を評価すれば良いです。

\(20^2=400\)よりは大きいと。適当にあたりをつけると、\(23^2= 400+120+9=529\)、少し大きい値です。\(22^2=400+80+4=484\)、これでちょうど良い値が見つかりました。

\(22\leq \sqrt{500}\leq 23\)なので、\(2.2\leq \sqrt{5}\leq 2.3\)となります。

\(\sqrt{2},\sqrt{3},\sqrt{5}\)以外も、同様の方法で計算できますね。数が大きくなってくると大変ですが……。

 

以上、ルートの近似値の求め方を紹介してきました。

いろいろな数を2乗して、中身の数字を挟み込めば近似値が求まるという原理でした。

\(11^2,12^2,\cdots,99^2\)といった2乗の計算に慣れたり暗算できたりすれば、\(\sqrt{10000}=100\)以下のルートの値は求められます。

さらに、\(\sqrt{2}\)の小数点以下2桁まで求めることもできます。\(\sqrt{20000}=100\sqrt{2}\)を評価すれば良いわけです。(やってみてください)

また、今回は平行根の近似値でしたが、\(3\)乗根や\(n\)乗根でも同様の近似計算ができます。小さな数や大きな数を作って、比較しましょう。

より精度良くルートの値を求めるには、ニュートン法が有効です。しかしそれを知らなくても、今回のような不等式を使った大小評価は、ルートという数を理解するために有効であることがわかってもらえたのではないでしょうか。

木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。

 

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