物理学に必要な大学数学の一覧

どうも、木村(@kimu3_slime)です。

今回は、大学で物理学を学ぶために必要な大学数学の一覧を紹介します。

東京大学理学部物理学科のカリキュラムを参考に書いています。僕の大学時代の専門は数学であり、物理に関して詳しくないことをご了承ください。

 

教養数学

教養数学は、大学1年で教養として学ぶことが多い数学科目です。

微分積分学

高校物理の教科書は、微積分の知識を前提にはしていませんが、その知識があるとクリアに見える法則は多いです。微積を駆使した物理の参考書もあるくらいです。

古典力学、熱力学を学ぶに当たって、関数の変化や近似、総量を捉える微分や積分の理論は必須となります。

多変数の微積分学は、ベクトル解析とも呼ばれます。ベクトル解析は、空間における電場や磁場のようすを捉えること、電磁気学の理解に必須です。

 

線形代数学

時間や空間、たくさんの物体を同時に捉えるためには、ベクトルや行列、線形代数学の考え方が必要となります。

複数の対象に関する物理法則は、連立した微分方程式として表されますが、線形代数学でも扱う単純なケースとして線形常微分方程式があります。

また、特に固有値・固有ベクトルの考え方は、量子力学に向けて必要です。

 

統計学

物理法則として知られる法則は、大量の実験によって確かめられたものが多いです。物理実験を知るに当たり、統計学の知識も必要となります。

大量の調査対象を確率的に捉えるという考え方は、統計力学理解にも役立つでしょう。

 

専門数学

物理数学

物理に必要な専門的な数学は、物理数学と呼ばれています。

具体的には、複素関数論、常微分方程式、偏微分方程式、フーリエ解析、特殊関数論、群論(抽象代数学)とリー群・リー代数論などが物理数学に含まれているようです。

参考:2020年度秋学期 物理数学 I – 東京大学2011年度冬学期 物理数学 II  – 東京大学物理数学 III サポートページ – 東京大学

 

微分方程式

古典力学における運動方程式、電磁気学におけるマクスウェルの方程式、流体力学におけるナビエ・ストークス方程式、量子力学におけるシュレーディンガー方程式。

こうした物理学の基礎となる方程式は、基礎方程式と呼ばれますが、それは微分方程式として表されることがほとんどです。

質点や1次元的な問題は、常微分方程式として表されます。多次元で連続的な問題は、偏微分方程式として表されます。

まずは簡単なケースとして、常微分方程式から学んでいくことになるのではないでしょうか。特殊関数論を学ぶためにも、常微分方程式は前提となるでしょう。

 

複素解析

複素関数の微積分を扱うのが複素解析で、複素関数論とも呼ばれています。

オイラーの公式のように、三角関数を統一的に扱う理論として、振動や波動の理論に役立ちます。また、複素積分の理論は、物理に多く登場する実広義積分に応用されます。

 

フーリエ解析

フーリエ解析(フーリエ級数、フーリエ変換)は、偏微分方程式を調べるための基礎的なツールです。

波動方程式や熱方程式といった偏微分方程式とセットで学ぶことになるのではないでしょうか。

 

変分法

物理法則の多くは理論的には、「エネルギーなど何らかの汎関数を最小にするような現象が起こる」ことにより説明されます(最小作用の原理、変分原理)。

物理学においては、あえて「変分法」を学ぶというよりは、解析力学とセットで学ぶことになるでしょう。

 

群論・リー群論

群論は抽象代数学の一分野で、ものの入れ替えや回転や反転などの対称性を分析できる分野です。行列によって表される変換のなす群は物理において特に重要で、リー群やリー代数、表現論によってカバーされるでしょう。

 

さらに高度な数学

量子力学、統計力学、相対性理論、弦理論、数理物理学など、専門分野に応じてより高度な数学が必要になることもあるでしょう。例えば、微分幾何学、多様体論、関数解析、数値計算などなど。これについては、各自どんなものが必要か

 

以上、物理学に必要な大学数学の一覧を紹介してきました。

物理学にとって数学はツールであり、数学科で求められるような厳密さよりは、むしろ広い分野の手法を実際的に使えることが求められるでしょう。

物理の理解が数学の理解を、数学の理解が物理の理解を促すことがあるので、必要に応じて相互に学んでいくのが良いのではないでしょうか。

木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。

 

 

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