どうも、木村(@kimu3_slime)です。
今回は、連続する3つの奇数の和が3の倍数となることの説明、証明を紹介します。
説明と予想
奇数とは、\(1=2\times 0+1\)、\(3=2\times 1+1\)、\(5=2\times 2+1\)のように、何かしらの2の倍数に1を加えて表せる数のことでした。
連続する3つの奇数とは、「1、3、5」や「7、9、11」のように、そのうち最も小さな奇数から2ずつ増やした数たちのことです。隣り合う3つの整数とも。例えば、「1、5、9」は3つの奇数ではありますが、連続した3つの奇数ではありません。
「1、3、5」や「7、9、11」の和とは、それらを足し合わせたもののことです。計算して試してみましょう。
\[1+3+5= 9 =3\times 3\]
\[7+9+11=27 =3 \times 9\]
と、確かに3の倍数となっていますね。
この例だけ見ると9の倍数にもなっていそうですが、「3,5,7」を考えると
\[3+5+7=15 =3\times 5\]
で、3の倍数にはなりますが、9の倍数になるとは限りません。
証明
では、一般的な形で説明、証明していきましょう。
連続する3つの奇数は、何かしらの整数\(k\)によって、\(2k+1,2k+3,2k+5\)と表せます。それらの和は、
\[(2k+1)+(2k+3)+(2k+5)\\ = 3(2k +3)\]
となります。\(2k+3\)は整数なので、\(3(2k+3)\)は3の倍数です。よって、連続する3つの整数の和は、3の倍数となることが示せました。
説明の方法は、次のようなものでも実質的に同じです。
例えば、途中の計算を
\[(2k+1)+(2k+3)+(2k+5)\\ = 6k+9\]
としましょう。\(6k\)は3の倍数で、\(9\)は3の倍数です。3の倍数の和は3の倍数なので、\(6k+9\)は3の倍数です。
連続する3つの奇数の表し方を、次のようにも変えられます。\(2k-1,2k+1,2k+3\)と。それらの和は、
\[(2k-1)+(2k+1)+(2k+3)\\ = 3(2k +1)\]
です。これは3の倍数ですね。
\[(2k+1)+(2k+3)+(2k+5)\\ = 3(2k +3)\]
という計算を別の視点で眺めると、これは真ん中の奇数の3倍となっています。
つまり、「連続する3つの奇数の和は、真ん中の奇数の3倍となる」とも言えるわけですね。
一般化
この問題を一般化して、「連続する\(n\)個の奇数の和は\(n\)の倍数となる」ということも正しいです。
総和の記号(シグマ記号)を使って和を表し、和の公式\(\sum_{\ell=1}^n \ell = \frac{1}{2}n(n+1)\)によって計算しましょう。
連続する\(n\)個の奇数の和は、
\[(2k+1)+\cdots+(2k+2n-1)\\= \sum_{\ell =1}^{n} (2k+2\ell -1)\\ = n(2k-1)+2 \cdot \frac{1}{2}n(n+1)\\=n(2k+n)\]
となります。\(2k+n\)は整数なので、\(n(2k+n)\)は\(n\)の倍数です。よって、連続する\(n\)個の奇数の和は、\(n\)の倍数であることが示せました。
例えば、
- 連続する4つの奇数の和は4の倍数
- 連続する5つの奇数の和は5の倍数
と言えます。
以上、連続する3つの奇数の和が3の倍数となることの説明、証明を紹介してきました。
まずは「奇数」「連続する」「3の倍数」という言葉の意味を確認し、「3,5,7」のような簡単な例で考えてみるのが大事です。予想がつけられたら、数を文字で一般的に表して、3の倍数、つまり3×(整数)の形になることを示しましょう。
木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。
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