どうも、木村(@kimu3_slime)です。
今回は、数学における~,~(チルダ)、ニョロン記号の意味を紹介します。
数学における~(チルダ)記号の意味
A~Bは、一般的にはAとBが似ていることを意味します。似ている:similarのsが横になったもの、と捉えられるでしょう。
例えば、2つの三角形\(\triangle{ABC}\)と\(\triangle{DEF}\)が相似であることは、\(\triangle{ABC} \sim \triangle{DEF}\)と書かれます。
日本では相似の記号に∽を用いることがありますが、英語圏では~が主流のようです。
図形の相似や合同、整数の合同関係、行列の相似は、大学数学では同値関係として一般化されますが、この同値関係を表すのにもよく\(\sim\)が用いられます。
数や関数の近似についても、\(\sim\)が使われます。
高校数学・物理では、\(|\theta|\)が十分小さいときに、\(\sin \theta\)は\(\theta\)で近似できるという関係性が登場します。これは、\(\sin \theta \sim \theta\),\(\sin \theta \approx \theta\),\(\sin \theta \simeq \theta\),\(\sin \theta \fallingdotseq \theta\)といったように書かれます。ニアリーイコールと同じ意味です。
階乗の近似公式(スターリングの公式)も、\(n! \sim \sqrt{2 \pi n} (\frac{n}{e})^n\)と書かれることが多いです。
こうした近似をより正確に表すためには、ランダウ記号(オー記法)が使われます。
参考:関数のオーダー評価(ランダウの記号)をわかりやすく解説
統計学や確率論においては、確率変数が特定の確率分布に従うことを表すために使われます。近似できるといった意味合いに近いものでしょう。
例えば、\(X \sim N(\mu, \sigma ^2)\)で、確率変数\(X\)は(平均\(\mu\)、分散\(\sigma^2\)の)正規分布に従うことを表します。(このとき、確率密度関数は\(f(x)= \frac{1}{\sqrt{2\pi \sigma ^2} }\exp (-\frac{(x-\mu)^2}{2\sigma ^2})\) )
また、不偏推定量を表すときに、\(\tilde {\beta}\)と文字の上にチルダをつけて表すことがあるようです。
チルダ~は、一般的には似ていることを表す記号です。文脈によって意味するところが違うので、読むときはその定義に気をつけましょう。
木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。