どうも、木村(@kimu3_slime)です。
今回は、1点、2点、3点を通る直線について、座標の考え方を用いて紹介します。
- 1点を通る直線:無限に存在する
- 2点を通る直線:ただひとつ存在する
- 3点を通る直線:存在しない
1点を通る直線の個数
1点\(A=(0,0)\)を通る直線の個数について考えましょう。
座標を用いると、直線は一般的に\(y=ax+b\)と表せます(\(y\)軸そのものを除いて)。
原点を通るということは、\(0 = a\cdot 0 +b\)なので、\(b=0\)です。
そして、傾き\(a\)は何であっても原点を通ります。\(a= 1,2,3,\dots\)と、無数に直線を考えることができますね。
よって、1点を通る直線の個数は、無限個です(有限個ではない)。(正確には、非可算無限の濃度となります)
2点を通る直線の個数
2点\(A=(0,0),B=(1,1)\)を通る直線はいくつあるでしょうか。
点\(A\)を通ることから、\(0 = a\cdot 0 +b\)なので、\(b=0\)です。また、点\(B\)を通ることから、\(1 = a\cdot 1 +0\)なので、\(a=1\)です。
これらによって、直線は\(y = x\)でしかありえません。よって、2点を通る直線はただひとつであることが示せました。
一般に、異なる2点を通る直線はただひとつであることが、全く同じ議論から示せます。
ユークリッド幾何学において、「異なる2点を通る直線がただひとつ引ける」ことは議論の出発点、公理(公準)のひとつです。
3点を通る直線の個数
3つの点\(A=(0,0),B=(1,1),C=(1,0)\)を通る直線について考えましょう。
さきほどの議論から、\(A,B\)を通る直線は\(y=x\)です。
しかしこの直線は、\(C\)を通りません。\(C\)を通るには\(0=1\)でなければなりませんが、これは成りたちませんね。
よって、3点\(A,B,C\)を通る直線は存在しません。
そもそも3点が同一直線上にある、共線的なケースをのぞいて、異なる3点を通る直線は存在しません。
以上、1点、2点、3点を通る直線について、座標の考え方を用いて紹介してきました。
図を描いて考えると明らかなことのように思えますが、座標と数式の上でもそれが示せると良いですね。
木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。
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