数学の勉強で「間違えるのが怖い」を捉え直す方法

どうも、木村(@kimu3_slime)です。

数学の勉強において、間違える・ミスするのが怖い、恥ずかしい、イライラすると思うことはあるのではないでしょうか。

今回は、勉強における間違えることのメリット、「間違えることが怖い」を捉え直す方法について、僕なりの考えを紹介します。

 



間違えることのメリット

数学の勉強において、間違えると悲しい気持ちになることはあるでしょう。怒られるかもしれない、簡単なことがわかっていない自分が恥ずかしい、みんなができることができなくて悔しい、などなど。

テストや試験では、間違えはバツにされ、点数としては評価されにくいです。

 

しかし、数学の勉強で間違えるのは当然のことであり、むしろメリットがあると僕は思っています。

例えば、小さな子供はよく言葉を間違えますよね。言い間違えをしながらも、「あれ何?」と人に聞いていくことで、だんだんと話せる言葉が増えていきます。人は誰でも、最初から大人のような知識を持っていたり、考えたり話せるわけではないのです。近い年ですごく賢く見える人も、何かしらの経験や失敗を通して学習した結果と考えられます。これは学習プログラム(機械)でも同じで、学習するためのデータが少なかったり不適切なものならば、当然良い結果を残すことはできないでしょう。

つまり、間違いや失敗には、自分の学習を促す効果があると考えられます。なぜなら、間違いを含んだ試行錯誤なしに賢くなることはできません。人には向き不向きがあり、その適性によっては、チャレンジの回数は確かに変わってきます。しかし人によって違うのは必要な失敗の量であって、ミスする経験自体をすっ飛ばすことはできないでしょう。

僕の経験としては、子どもの頃に教育ゲームソフトで割り算を間違えて、悔し泣きしました。今となっては、習っていないことをできないのは当然なのですが、できないしやり方もわからないのが理不尽で悲しかったんでしょう。割り算に入る前、掛け算はすんなりと学ぶことができ、数に関することで自信があったので、その分ショックが大きかったのだと思います。

失敗して何も思わないよりも、悔しいとか恥ずかしいと思う方が、向上心があって、その失敗を乗り越えようという気持ちにつながります。あんまりレベルに合わない失敗をすると、「自分にはどうせできないんだ」と気持ちがくじけてしまうでしょう。ある研究によると、15%程度の間違いをするときが学習に良いようです。

参考:15%の間違いをするときが最も効果的に学べる その理由は?  – Newsweek

 

特に数学では、自分ができないこと、わからないことを知っていくのが学習の第一歩です。間違いを通して、自分の苦手なことや理解不足なことに気づくことで、その対策を考えることができます。例えば、計算ミスにしても、ミスをして初めてその原因を分析できるようになるのです。いくら間違えるのが怖いからといって、チャレンジそのものをやめてしまえば、わかることも増えず、負のスパイラルに入っていってしまうでしょう。

参考:手の付け方がわからない数学の問題の解き方:定義を確認し、単純化しよう数学の学びを深めるために必要なのは、「わからない」と言える力

 

間違えるのが怖くなる原因と克服法

「そうは言っても、間違えるのが怖いんだ」という気持ちはわかります。

間違えるのが怖くなる原因のひとつには、人前で間違えることをバカにしたり、間違えることに怒ったりする人や環境があるのではないでしょうか。

僕の経験では、小中学校において、生徒が先生からの質問に答えて、大きな間違いをすると、周囲が笑うような風潮がありました。英語の発音をネイティブっぽくしっかりとする(=カタカナ英語でない)と、それを揶揄する生徒がいたり。少し人より勉強ができると、ガリ勉とバカにされたり。そんな環境では、人前で自分の考えを述べたり、間違えたりすることがどんどん怖くなっていってしまうでしょう

数学や勉強に限らず、自分が失敗をしたくない・認めたくない、他人の失敗をバカにしたいという風潮はあるようです。

参考:日本人に蔓延する「失敗したくない」という病「他人の失敗」を見ると快楽を覚える本質理由 – 東洋経済オンライン

 

「チームメンバーに非難される不安を感じることなく、安心して自身の意見を伝えることができる状態」を表す、心理的安全性という言葉があります。

参考:心理的安全性とは Googleが確立した「良いチーム」の土台を作る方法 – Lightworks BLOG

心理的安全性のない環境では、当然自分の考えを話すのが怖くなります。そうした場は学習には不向きです。良い高校や大学に行けば、その問題はきっと解消されます。僕の経験では、高校、大学と進むにつれ、失敗をバカにするような風潮はなくなりました。

勉強ができる人は、間違えることを当然のステップであると知っているわけです。お互いの間違いを、攻撃的でなく素直に指摘しあえる友達や先生が見つけられれば、勉強はスムーズに進むでしょう

参考:数学を学ぶコツ:疑問を育て、意見できる人になろう

 

そうは言っても、すぐには環境は変えられない人もいるでしょう。人生とは、なかなか思い通りにならないものです。他人を変えることは、なかなかできません。

さきほど述べたように、遠慮せずにたくさん失敗できることは勉強に効果的です。失敗してもいいんだ、自分はいつかできるようになるんだ、と自信を持っていれば、やがてそれは結果につながります。チャレンジに損はありません。

勉強に関する自信の持ち方には、人それぞれやり方があるでしょう。僕の提案としては、

  • 自分が得意なこと、できるようになった成功体験、かつて苦手だったけど今は克服したことを思い出す

ことです。人生を振り返れば、勉強に限らず、運動でも絵でもなんでもよいですが、何かしら得意なこと・できるようになったことがあるのではないでしょうか。自分の能力の欠点を見て、「あの子ができることが自分にはできない」とないない探しをしていれば、自信はなくなってしまいます。そうではなく、自分の良いところを見つけて、まず自分で自分を褒めていくのです。

赤ん坊の頃と比べれば、できるようになったことはたくさんありますよね。自分の力は、固定されたものでなく、少しずつですが成長することができるのです。

自信さえあれば、それだけで勉強できるわけではないでしょう。しかし、自信がなくなってしまえば、失敗を避けるようになり、勉強ができるようになる可能性を潰していまいます。まずは自分の良いところを認めて、「自分にはできる」という自信を持ちつつ、ほどよく失敗していくことが効果的な学びにつながっていくのではないでしょうか。

 

以上、数学の勉強で「間違えるのが怖い」と思うことへの受け止め方を紹介してきました。

ことわざでも、失敗は成功のもと、と言います。自分の良いところに注目し、ミスの恐怖心とうまく向き合って、少しずつ焦らずに学習の山を乗り越えていきましょう。

木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。

 

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