どうも、木村(@kimu3_slime)です。
\(4!\)とは何でしょうか。数学における!記号の意味、読み方を解説します。
数学における!記号の意味、読み方
!記号は、数学においては階乗(かいじょう)を表すために使われます。
例えば、4の階乗は、\(4!=4\times 3 \times 2 \times 1=24\)です。\(n\)を自然数として、\(n\)の階乗とは、\(1\)から\(n\)までのすべての自然数の掛け算と定義されます。数の階段をすべて乗じている。
\[ \begin{aligned}2!= 2 \times 1=2\end{aligned} \]
\[ \begin{aligned}3!= 3 \times 2 \times 1=6\end{aligned} \]
\[ \begin{aligned}4!=4\times 3 \times 2 \times 1=24\end{aligned} \]
\[ \begin{aligned}n! = n\times (n-1 )\times \cdots \times 2\times 1\end{aligned} \]
!記号は、一般的にはエクスクラメーションマーク(感嘆符)、俗にビックリマークと呼ばれるものですが、数学ではこの意味はありません。\(4!\)と書いてあったら、大声で4と読むのではなく、4の階乗と読むでしょう。
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— ん村 (@nmuranmu) May 7, 2019
コンピュータにおける計算でも、階乗を表すために、!が使われます。例えば、「10!」とGoogle検索してみてください。
(ただし、!は論理学やプログラミング言語において、否定の意味で使われることがあります。こちらの意味では、!Pや\!=のように、数字ではなく記号を対象とし、記号の前に!です。\(!=\)はノットイコール\(\neq\)の意味となります。)
!記号の使い方
階乗という概念は、高校数学、場合の数(組み合わせ)と確率の分野で登場します。
「4人の人が4つの異なる場所に並ぶとき、その並び方は何通りありますか?」の答えは\(4!\)通りです。最初の人は4通りの場所があり、それ以外の3人には3通り、残り2人になれば2通り、最後の1人は1通りなので、\(4\times 3 \times 2 \times 1 =4!\)通りです。
階乗を使って、順列\(_n P_r\)や組み合わせ\(_n C_r\)が定義されます。
\(_n P_r= \dfrac{n!}{(n-r)!}\)
\(_n C_r= \dfrac{_n P_r}{r!}= \dfrac{n!}{r!(n-r)!}\)
「サイコロを4回振って合計が10になる確率は?」に答えるには、それが起こるパターン数=組み合わせを知る必要があり、それは階乗を使って計算されます。
階乗に関する発展概念として、ガンマ関数\(\Gamma(z)\)が知られています。これは積分を使って定義され、\(z\)が整数のときは階乗に一致する関数で、大学数学や統計学に広く登場します。
また、大きな数の階乗を計算してみればわかりますが、とんでもなく大きな数になっていきます。階乗\(n!\)はべき乗\(n^{100}\)よりも\(n\)が大きくなると圧倒的に速く増えるのです。これに関して、階乗をわかりやすい関数で近似する、スターリングの公式 \(n! \approx \sqrt{2 \pi n} (\frac{n}{e})^n \) が知られています。
この爆発的な増加がコンピュータの計算に登場してしまう問題は、組合せ爆発と呼ばれています。
!記号の意味と使い方、伝わりましたでしょうか。掛け算の省略記号なので、怖くありません。
木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。