公準「平面上の異なる2点を含む直線は平面内にあること」の線形代数による説明

どうも、木村(@kimu3_slime)です。

ユークリッド幾何学の議論の出発点、公準のひとつに、「平面内の異なる2つの点があるとき、それを含む直線はその平面内にある」というものがあります。

今回は、その線形代数による説明をします。

 

まずは具体例を考えてみましょう。

\(z= y\)という平面を舞台とし、\(a= (0,0,0)\)と\(b=(2,1,1)\)という平面上の異なる2点を考えます。

画像引用:WolframAlpha

平面上の異なる2点には、必ず直線が存在します(公準)。確かにその直線は、平面内になければおかしい感じがしますね。

今回は座標を用いて議論しているので、2点をむすぶ直線は\(c(t) = t(b-a)=(2 t, t, t)\)と具体的に表せます。\(y,z\)座標が常に等しいので、直線\(c\)は常に平面内にあると保証されています。

参考:曲線(1変数ベクトル値関数)とその微分について

 

さて、線形代数を用いた一般的な議論をしましょう。

3次元空間\(V = \mathbb{R}^3\)において、平面(2次元の線形部分空間)\(W_1\)があり、その異なる2点を\(a,b\)とします。

その2点を用いて、\(W_2 = \{ x \mid  x = \lambda (b-a) となる\lambdaが存在する\}\)という集合を考えましょう。\(W_2\)は1つのベクトル\(b-a\)が生成する部分空間で、その基底は\(b-a\)のひとつ、つまり1次元の線形部分空間:直線となっています。

では、この直線は常に平面内にあること\(W_2 \subset W_1\)を、部分集合の定義によって示しましょう。

\(x \in W_2\)とすると、\(x =\lambda (b-a)\)と表せます。\(W_1\)は2次元の線形部分空間で、その要素同士の和、スカラー倍はまた\(W_1\)の要素です。そして、点\(a,b\)は平面上にあること\(a,b \in W_1\)から、\(\lambda (b-a) \in W_1\)です。よって、\(x \in W_1\)が示せたので、\(W_2 \subset W_1\)であることが示せました。

 

以上、公準「平面上の異なる2点を含む直線は平面内にあること」の線形代数による説明をしてきました。

「直線が平面内にあること」は、線形代数を用いた枠組みでは、平面が2次元の線形部分空間であること:和とスカラー倍について閉じていることとして表すことができますね。

逆に言えば、線形部分空間の定義は「平面内の直線がその平面内にあり続ける」ことを含んでいることが伝われば嬉しいです。

木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。

 

 

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