積分定数はなぜ必要か 0=1の間違った証明を例に

どうも、木村(@kimu3_slime)です。

今回は、積分定数はなぜ必要か、0=1の間違った証明を例に紹介します。

 

不定積分の計算において、

\[\int x dx = \frac{1}{2} x^2 +C\]

ただし\(C\)は積分定数、といった文章はよく見かけます。

この積分定数はなぜ必要なのでしょうか。

仮に積分定数をつけずに、「定積分がひとつの数を表す」と誤った仮定をつけると、0=1という矛盾を導くことを示しましょう。

部分積分

\[\int f(x)g^{\prime }(x) dx = f(x)g(x) – \int f^{\prime}(x)g(x)dx\]

によって\(\frac{1}{x} \cdot 1\)を不定積分すると、

\[\begin{aligned} \quad &\int \frac{1}{x} \cdot 1 dx \\&= \frac{1}{x} x – \int (-\frac{1}{x^2})x dx \\&= 1+\int \frac{1}{x} dx  \end{aligned}\]

となります。よって、両辺から\(\int \frac{1}{x} dx\)を引けば、\(0=1\)が導けました。(これは矛盾です。)

 

もっと単純化すれば、次のようなトリックです。

\(x\)の不定積分\(\int x dx\)とは、「微分して\(x\)になる関数のこと」です。微分して\(x\)になる関数には、\(\frac{1}{2}x^2\)、\(\frac{1}{2}x^2+1\)があります。したがって、

\[\int x dx = \frac{1}{2}x^2\]

\[\int x dx = \frac{1}{2}x^2+1\]

これらを比較すると、\(0=1\)が成り立ちます。(これは矛盾です。)

 

このような間違った計算をしないために、積分定数をつけることは一役買っていますね。

一般に、不定積分はひとつの関数ではなく、微分するとその関数になる関数たちの集まりを指しています。

例えば、微分して\(x\)になる関数は、\(\frac{1}{2}x^2\)だけでなく、\(\frac{1}{2}x^2 +1\)、\(\frac{1}{2}x^2 -4\)のように、たくさんあります。これらには定数分の差があるだけで(定数関数の微分は0になる)、それ以外の部分\(\frac{1}{2}x^2\)は同じですね。このことをまとめて、

\[\int x dx = \frac{1}{2} x^2 +C\]

と表すわけです。したがって、\(\int x dx\)はひとつの数、ひとつの関数を表す記号ではないことに注意しましょう。

(不定積分は、関数の集合に、定数の差を同一視する同値関係を考えたときの、同値類として理解することができます。)

 

以上、積分定数はなぜ必要か、0=1の間違った証明を例に紹介します。

おまじないのようにつけるべきと言われがちなので、つけないとどういう間違いを生むか知ると、納得しやすくなるでしょう。

積分定数は、微分方程式の問題を知ると存在意義がよりわかりやすいと思います。

木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。

 

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