カッコの前のマイナスの外し方:分配法則を理解する

どうも、木村(@kimu3_slime)です。

中学数学では、マイナスの数を含む計算を学びます。例えば、\(-(x-5) =-x +5 \)といったように。

このようなカッコの前につくマイナスの外し方がなぜ正しいのか、数の規則:分配法則を通じて簡単に紹介します。

 



引き算とは、マイナス1倍して加えること

まずは文字式を含まない、具体的な数から考えていきましょう。マイナスにかっこがついた計算\(6-(-5)\)はどうなるでしょうか。

\[ \begin{aligned} 6-(-5)= 6 +5 =11\end{aligned} \]

という計算では、\(- (-5)= 5 \)という途中計算が行われています。

マイナスの数を引くと、プラスになるのはどうしてでしょうか。数をお金に例えるなら、借金を減らすことが、マイナスを引くこと、つまりプラスになることに対応しています。

 

例えではなく、\(- (-5) =5\)となる理由を説明しましょう。

左辺は、\(-(-5) = (-1)\times (-5) \)を省略して書いたものなのです。そうすると、マイナス掛けるマイナスはプラスになるので、\( (-1)\times (-5)=5\)です。

詳しくは:マイナスかけるマイナスはなぜプラスになるのか:分配法則から

したがって、引き算は、マイナス1倍して加える計算である、と言いかえられます。

\[ \begin{aligned} 6-(-5)&= 6 +(-1)\times (-5) \\ &= 6+ 5  \ \end{aligned} \]

こう考えれば、マイナスが2回かけられればプラスになる、とカッコの前のマイナスを外すことができました。

 

文字式におけるカッコの外し方

中学校の最初の方では、\(-(-5) =5\)のような計算を学ぶかと思います。

なぜそんなことを練習するかといえば、かっこを含む文字式の計算ができるようになるためでしょう。

 

例えば、次のようなカッコを展開する計算を学びます。

\[ \begin{aligned} -5(3x +1) &= (-5)\times (3x+1) \\ &=  (-5)\times 3x  +(-5)\times 1  \\ &= -15x -5  \end{aligned} \]

途中でカッコを展開していますが、これは分配法則

\[ \begin{aligned}a\times (b+c)= a\times  b +a\times c\end{aligned} \]

という性質を利用しています。\(a\)を\(b+c\)回かけるということは、\(a\)を\(b\)回かけた数と\(a\)を\(c\)回かけた数の和に等しいと。プラスの数については当然成り立つ法則です。それがいつでも成り立つような数として、マイナスの数を含む数:整数を考えています。

 

この分配法則を意識すると、マイナスがついたカッコを外せるようになります。

\[ \begin{aligned} -(2x -3)&= (-1) \times (2x +(-3)) \\ &= (-1)\times 2x + (-1)\times (-3) \\ &= -2x +3 \end{aligned} \]

カッコについたマイナスは、カッコの中身全体にかかっていることに注意しましょう。前からマイナスをつければいいだけだと、

\[ \begin{aligned}-(2x -3) = -2x -3\end{aligned} \]

と計算するのは間違いです。\(2x-3\)をひとまとまりと見て、全体を\(-1\)倍する計算を表しています。

 

マイナスのつくカッコを利用した問題として、次の1次方程式を解いてみましょう。

\[ \begin{aligned}3(-x+1)= 4(-x +1)+5\end{aligned} \]

この等式を満たす\(x\)を探したいです。\((-x+1)\)をひとまとまりと見て、両辺に\(-4(-x+1)\)を加える(移行する)と、

\[ \begin{aligned}3(-x+1)-4(-x+1)=5\end{aligned} \]

となります。左辺を展開して計算しても良いです。が、ここでは\(-x+1\)を利用してまとめた方が、簡単そうです。分配法則を使えば、

\[ \begin{aligned}   3(-x+1)-4(-x+1) &= (3-4) (-x+1)\\ &= (-1)(-x+1) \end{aligned} \]

となります。ここでマイナス1倍に気をつけて展開すると、左辺は

\[ \begin{aligned}(-1)(-x+1)  = x-1\end{aligned} \]

となります。したがって元の方程式は

\[ \begin{aligned}x-1 =5\end{aligned} \]

となり、両辺に1を加えて、\(x=6\)が解であるとわかりました。

 

以上、カッコの前についたマイナスの外し方について、分配法則を交えて紹介してきました。

マイナスのついたカッコは、カッコの中身全体をマイナス1倍したものに一致しています。\(-\)を単なる引き算として捉えるのではなく、その後に続くものを\(-1\)倍して加える操作だと捉えられれば、マイナスを含む展開計算の間違いを減らせるのではないでしょうか。

木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。

 

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