高校数学のやり直し・独学のやり方、おすすめ教材

どうも、木村(@kimu3_slime)です。

大学生や大人・社会人になってから、数学の必要性を感じたので、高校数学のやり直し・独学・復習したい。けれど、数学はあまり得意ではないので、不安がある。

そんな人向けに、高校数学のやり直しの方法、おすすめの教材を紹介します。

 



高校数学のやり直しの方法

スタート地点を把握する

勉強とは、わからなかったことをわかるようにすることです。まずは自分が高校数学についてどこまで知っていて、どこまで知らないかを意識すると良いでしょう。

目安として、理解レベルを3つの段階に分けてみました。

  • 算数から苦手、中学数学から数学が無理になった
    • →高校数学は難しいかもしれない。算数や中学数学からやり直したい。
  • 高校数学を学校であまりやっていない、高校に入ってから数学が苦手になった
    • 例えば、数学1Aのみ授業を受けて、数学2B以降はやっていない
    • →高校数学に取り組みつつ、必要に応じて中学数学の復習をする
  • 高校数学を学校でやっていた
    • 一応、数学2B、3Cをやった。入試の数学は得意科目ではなかった。
    • →高校数学からやり直す。場合によっては、不得意な分野だけ取り組む。

 

次のロードマップを見て、

  • どの用語は見たことがあるか
  • どの分野を得意・不得意と感じるか
  • どの分野の簡単な問題なら解けそうか

を考えてみるのも良いでしょう。

参考:中学・高校数学のロードマップ ~ 分野一覧と学ぶ順序

たくさんできないことがあるように見えるかもしれませんが、不安にならないでください。今の自分のレベルを正確に把握することで、無理なく楽しく数学を学んでいけるかと思います。

 

小さな目標を決める

続いて、高校数学の学習において、何か小さな目標、自分のモチベーションになることを決めてみましょう。

例えば、「仕事で統計学を使いそうなので、その統計学を身につけるために必要な高校数学の基礎能力をつけたい」、といったように。お金を稼げる仕事に就きたいでも、大学数学を味わってみたいでもなんでも良いです。本当はもう少し具体化してほしいですが。

目標の決め方は本当に人それぞれなので、アドバイスするのは難しいですね。

僕が大学入試の勉強を始めた頃は、

  • 環境問題などの科学がからむ問題に興味があった。それを読み解くためには、科学の基礎となる数学の知識を若いうちに学んでおいた方が良いだろう。
  • 入学試験の勉強を通して、自分の能力を、「勉強ならやればできること」を証明したかった。
  • 数学ができると、将来できる仕事の幅が広がるだろう。

といった考えがありました。

数学に限らず、勉強はすぐさまお金になるようなことではありません。しかも、理解するのには頭を使う必要があり、身につくまでに時間がかかります。だからこそ、人に流されてやるのではなく、自分にとって意味のある動機を持っていることが大事だと思います。

冷たいことを言うようですが、特にやりたいことがないなら、何も数学をやり直さなくても良いのではないかな、と思います(笑)。人生には楽しいことや身のためになることが、他にもたくさんありますから。

逆に言えば、どうしてもやりたいことがあって、そのために高校数学が必要なんだ、と考えられている人は、すぐさまできるようになるでしょう。

 

できそうな習慣を決める

言うは易く行うは難し。

「今年から本気出す」方式で、目標を決めはするのですが、日々の生活に流されて、毎年未達成となってしまうこと、よくあるのではないでしょうか。

最初はカジュアルに「数学できるようになりたい」とワナビーでいても良いと思いますが、ずっとそのまま変化できなかったら悲しいですね。

独学での勉強ができる人とできない人の違いを考えると、「具体的に何ができそうか、何していけば良いか」と現実的な方法を見いだせるかどうか、があります。実現できない目標は、絵に描いた餅です。

例えば僕は受験勉強の最初に、「センター試験(共通試験)の数学の問題を7割くらい解けること」を目標にしました。そのために、具体的に何をしたかというと

  • センター試験の過去問を解き、採点する。現時点でのレベルを把握し、上げられそうな点数の目標を立てる。
  • 採点を通じて、解けなかった問題、分野が何かを把握する。
  • 問題集(黄チャート)や教科書を通じて、その分野の復習をする。確実にできる問題のレパートリーを増やす。
  • 再び、過去問や模擬試験を解いて、自分の理解度をチェックする。学習の成果があったのかどうかを確認する。

といった流れを取っていました。もっと具体化できますが、細かくなるので省略。1日あたり平均で1-2時間ずつくらい進めて、全体のサイクルは1ヶ月程度だったと思います。

僕の例は、高校生で受験勉強の時期であったため、参考にならない部分があるかもしれません。周りに同じように勉強している人が多く、また勉強をして良いという余裕があると、より勉強は進めやすいです。

あなたが高校生か、大学生か、働いているか、自由な時間はどれくらいあるか、体力気力の余裕がどれだけあるかによって、現実的な勉強の方法は変わってくるでしょう。

夢や目標を大きく立てるのは自由ですから、それは好きにすれば良いでしょう。ただ、せっかく高校数学を学ぶことに時間をかけるならば、ぜひ自分に続けられる方法で、少しずつで良いので成長が実感できる方法を考えると良いと思います。小さな段差を少しずつ超えていくのが、勉強のコツです。

 

高校数学のやり直しにおすすめの教材

では、ここからは高校数学のやり直しに使える教材、参考書や動画をいくつか紹介していきます。

 

中学数学

高校数学を始めるために最低限必要な中学数学の知識としては、マイナスやルートの扱い、文字式の扱いがあります。これらがスムーズに扱えれば、多少の不安はあっても、高校数学を学び始めることができるでしょう。

中学数学のやり直しには、「中学3年間の数学を8時間でやり直す本」をおすすめします。この本は、中学数学の内容を短くまとめつつ、式変形するときの考え方をステップ・バイ・ステップで解説していて、親切です。

中学3年間の数学を8時間でやり直す本
間地 秀三(著)
PHP研究所 (2015-03-12T00:00:00.000Z)
5つ星のうち4.0
¥855

詳しくは:中学数学の学び直しに「8時間でやり直す本」をレビュー

 

ウェブ上で参照できるテキストとしては、中学校数学学習サイトがあります。「ルートの計算ってどうやるんだっけ?」といったように、昔はできたけど今は忘れてしまった程度のことなら、見れば思い出せるでしょう。

昔も中学数学できなかったんだよな……という人は、「中学3年間の数学を8時間でやり直す本」のような何かしらのテキストに取り組んだほうが良いと思います。

 

高校数学

まず前提として、高校数学の本はバリエーションが豊富です。大学入試対策の側面があるからでしょうね。実際に本屋に行って、自分のレベルにあった詳しさのテキストを選ぶと良いでしょう。

 

僕が高校数学の学習に一番使ったのは、数研出版のチャート式シリーズでした。僕の学校では黄色チャートが学校指定でしたが、色の違いは少し問題の難度が変わる程度です。

なので、高校数学に苦手意識を感じている人、学び直し向けとしては、最もやさしい白チャートから始めると良いのではないかと思っています。典型的な問題とその解き方の発想方法が書かれていて、類題も多いので、トレーニングにピッタリです。僕の勉強では、教科書よりもむしろチャート式を第一に参照することの方が多かったです。

チャート式基礎と演習数学I+A
チャート研究所(編さん)
数研出版 (2019-01-24T00:00:01Z)
4.3outof5stars
¥1,070 (中古品)

 

チャート式 基礎と演習 数学Ⅱ+B
チャート研究所(編さん)
数研出版 (2019-11-01T00:00:01Z)
4.5outof5stars
¥1,809 (中古品)

 

チャート式基礎と演習数学3
チャート研究所(編さん)
数研出版 (2018-11-01T00:00:01Z)
4.2outof5stars
¥5,499 (コレクター商品)

 

高校数学の内容を扱った、ウェブ上で見れる動画もいくつかあります。

一番のおすすめは、NHK高校講座の数学Ⅰ数学Ⅱベーシック数学ロンリのちからです。基本的に講義じみていなくて見る気になります(数学IIを除く)。1単元が10分程度と短く、理解度チェックのテストまでついています。

ベーシック数学は、割合の話から始めていて、数学が苦手な人のための高校数学入門、といった内容になっています。ロンリのちからは、ドラマを通して、数学の学習に必要な論理的な考え方をわかりやすく気づかせてくれます。

NHK高校講座の弱点は、ウェブページのUIが古く、YouTubeに比べるとみづらいことでしょうか。また、難しめの内容はカバーされていません。逆に言えば、簡単な高校数学の内容はNHK高校講座で学ぶことをおすすめします。これが無料なのは信じられません。

ほか、YouTubeで高校数学を広く解説していて良さそうだと思ったのは、Try IT(トライイット)とある男が授業してみたでしょうか。

個人的には、解き方に寄りすぎていていて考え方が伝わるか微妙では、と思うところもあります。が、それでも学校の授業のような動画がスマホやパソコンで無料で見れるのはありがたいですね。

 

大人、またはお金に余裕がある人は、すうがくぶんかの「大人のための高校数学」といった数学に特化した塾・数学教室を利用するのも良いでしょう。実際、統計学に必要な高校数学を学ぶため、講座を利用した体験談があります。

参考:文系社会人が統計のために1から高校数学をやりなおしました

 

以上、高校数学のやり直し・独学の方法、おすすめの教材を紹介してきました。

高校数学を学び終えた先にある世界としては、「大学入学前に数学を予習したい人におすすめの本・勉強法」を参照すると良いでしょう。

もっと詳しい数学の勉強法については、

にて書いています。

高校数学を学べば、いわゆる科学や統計学を学ぶためのベースとなる力が身につきます。できることが増えれば、数式への不安が減り、できることややりたいことも増えるでしょう。高校数学のやり直しのために、この記事を使ってみてください。

木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。

 

こちらもおすすめ

中学・高校数学のロードマップ ~ 分野一覧と学ぶ順序

大学数学を独学するための方法・考え方

受験数学の勉強法:教科書・参考書を読む重要性・読み方

数学の勉強法:眺めるな、書いて考えよ、自分の数学を作ろう

数学の定義や公式は丸暗記しなければならないか?

中学数学の学び直しに「8時間でやり直す本」をレビュー

大学入学前に数学を予習したい人におすすめの本・勉強法