偶数、奇数の見分け方(1の位)とその証明

どうも、木村(@kimu3_slime)です。

「偶数と奇数」、どちらかわからない人が少なくない話が話題となっています。

今回は、偶数か、奇数かの見分け方と、その証明を紹介します。

 

偶数、奇数とは

\(-2,-1,0,1,2,3,4,\dots\)のようなキリの良い数は、整数(integer)と呼ばれています。整数は、偶数か奇数か、いずれかひとつです。

2の倍数となる数を偶数(even number)と呼び、2の倍数とならない数を奇数(odd number)と呼びます。

\(0,2,4,6,8\)は偶数で、\(1,3,5,7,9\)は奇数です。なぜならば、

\[0=2\times0,\quad2=2\times1 ,\quad4=2\times 2,\\ 6=2\times5,\quad 8=2\times4\]

\[1=2\times 1 -1,\quad 3=2\times 2- 1 ,\quad5=2\times 3 -1,\\ 7=2\times4- 1, \quad9=2\times 5 -1\]

といった式が成り立つからです。

数直線をイメージすれば、偶数と奇数は、\(0\)偶、\(1\)奇、\(2\)偶、\(3\)奇と、遇奇が交互に並んでいます。

小学校では扱わないかもしれませんが、負の整数にも偶奇はあります。\(-2,-4,-6,-8\)は偶数で、\(-1,-3,-5,-7\)は奇数です。

 

偶数、奇数は次のようにも言い換えられます。

  • 偶数は、2で割り切れる数。整数\(k\)によって\(2k \)と表される数。
  • 奇数は、2で割り切れない数。整数\(k\)によって\(2k-1\)と表される数。

これはそれぞれ、「偶数の定義:2の倍数であること、奇数の定義:2の倍数でないこと」を言い換えただけです。

ちなみに、\(0\)は\(2\)で割り切れる、商は0である、\(0 \div 2 =0\)ことに注意しましょう。(割り切れる系の議論が苦手ならば、2の倍数かどうかで考えた方が良いと思います)

(1とそれ自身以外に正の約数を持たない数、\(2,3,5,7,11,\dots\)といった数は素数 prime numberと呼ばれます。偶数、奇数とは別物なので、混同しないように注意。)

 

偶数、奇数の見分け方

偶数奇数の定義は紹介しましたが、大きな整数が2の倍数かどうかを調べるのは、少し大変かもしれません。そこで、簡単な見分け方があります。

\(x\)を整数とします。

  • 「\(x\)の1の位が\(0,2,4,6,8\)(偶数)」ならば、\(x\)は偶数
  • 「\(x\)の1の位が\(1,3,5,7,9\)(奇数)」ならば、\(x\)は奇数

(これは逆も成り立つ。)

 

さっそく試してみましょう。

\(15\)は偶数でしょうか? 1の位は\(5\)なので、\(15\)は奇数です。

\(134\)は偶数でしょうか? 1の位は\(4\)なので、\(134\)は偶数です。

\(1986\)は偶数でしょうか? 1の位は\(6\)なので、\(1986\)は偶数です。

\(31415926535\)は偶数でしょうか? 1の位は\(5\)なので、\(31415926535\)は奇数です。

どんなに大きな数でも、その1の位が偶数か奇数か見分けるだけで、偶数か奇数か判別できます。途中の桁、10の位や100の位の数が偶数か奇数かどうかは関係ないので、注意しましょう。

また、「\(0\)は偶数でも奇数でもない」という誤解が一部にはあるようですが、それはこの方法の観点からも妥当ではありません。\(100=2\times 50\)なので\(100\)は偶数であり、これは1の位\(0\)が偶数であることと対応しています。

 

見分け方の証明

1の位を使った判定法には、それが成り立つ理由、すなわち証明があります。

\(x\)を整数とします。「\(x\)の1の位が\(0,2,4,6,8\)(偶数)」ならば、\(x\)は偶数です。

あらすじを具体的に説明します。整数は、10進法によって

\[1986 =1000+900+80+6 \\= 1\times 10^3 +9\times 10^2+8\times 10^1 +6\]

と表せます。\(100=10^2,1000=10^3\)といったように、\(10^\ell \)は10の後に0が\(\ell\)個続く数を表すものです(\(10\)のべき乗という)。

ここで、\(10=2\times5\)、\(10^2=2\times 5\times 10\)、\(10^3 =2\times 5\times 10^2\)なので、\(80,900,1000\)は偶数です。「偶数と偶数の和は偶数」なので、\(1980\)は偶数です。1の位\(6\)も偶数なので、偶数と偶数の和なので、\(1980+6=1986\)は偶数です。

 

では、一般的に証明しましょう。

\(x\)を与えられた整数とします。10進法で表記すれば、

\[x= x_{\ell} \times10^{\ell}+x_{\ell-1}\times 10^{\ell -1}+\cdots+x_{1}\times10^1+x_{0}\]

と表せます。

\(x_{0}\)が\(x\)の1の位の数で、\(x_{1}\)が10の位、\(x_{2}\)が100の位、\(x_{n}\)は\(x\)の\(n\)桁目の数です。

 

ここで、\(10^1\)以降の項は、すべて\(2\)の倍数、偶数です。

なぜなら、\(10=2\times 5\)なので。\(x_1\times10^1 =2\times x_1 \times 5\)で、\(x_2 \times 10^2 =2 \times x_2 \times 5 \times 10^1 \)、\(x_n \times 10^{n} =2\times x_n \times5\times 10^{n-1}\)となるので、10の桁以降のそれぞれの項はすべて偶数です。

「偶数と偶数の和は偶数」なので、2桁以降の数\(x_{\ell} \times10^{\ell}+x_{\ell-1}\times 10^{\ell -1}+\cdots+x_{1}\times10^1\)は偶数です。

仮定より\(x_{0}\)は偶数なので、偶数と偶数を足した

\[x= x_{\ell} \times10^{\ell}+x_{\ell-1}\times 10^{\ell -1}+\cdots+x_{1}\times10^1+x_{0}\]

もまた、偶数となることがわかりました。

(最後の議論で、\(x_{0}\)が奇数であると仮定を変えれば、偶数と奇数の和が奇数なので、\(x\)が奇数であるとわかります)

 

途中で用いた、「偶数と偶数の和は偶数」という議論も確認しておきましょう。

\(x,y\)を任意に与えられた偶数、2の倍数とします。すると、\(x=2k,y=2 \ell\)、\(k,\ell\)は整数と表せます。\(x+y= 2k+2\ell =2(k+\ell)\)であり、\(k+\ell\)は整数なので、\(x+y\)は2の倍数、すなわち偶数であることがわかりました。

 

以上、偶数、奇数とはどういう数か、1の位を使った判定法、その証明を紹介してきました。

1の位を見るだけで偶数か奇数か判定できるということは、なかなか面白いことだと思います。生活の中で何か整数を見かけたら、ぜひ遇奇をチェックしてみてください。

木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。

 

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