どうも、木村(@kimu3_slime)です。
数学における3つの点∴、∵記号の意味、読み方を解説します。
数学における3つの点∴、∵記号の意味、読み方
∴、∵は、ともに数学の証明で論理的な記号です。
∴は、ゆえに記号(therefore sign)。「A、∴B」で、Aの内容にしたがってBが導かれる、という意味です。キーボードでは「ゆえに」で変換できます。
∵は、なぜならば記号(because sign)。「A、∵B」と書くことで、Aが成立する、なぜならばBが成立するから、という意味です。キーボードでは「なぜならば」で変換できます。
\(2x=10,\quad \therefore x=5\)
\(y=2 . \quad \because y^2=4 , y>0\)
数式表示システムTeXでは、それぞれ\therefore、\because で表示することができます。
2つの記号はまぎらわしいですね。どちらも正三角形の頂点に点があります。2点が広がっている方が結論、1点の方が根拠、と見るのはどうでしょうか。∴では後の方が結論で、∵は先の方が結論です。
Cajori「A History of Mathematical Notations」によると、この記号は1600年代半ばから使われているようです。
数学の証明問題を解くときに、この記号を使うと書くのが楽になりますね。
ただし、大学数学の教科書では、この記号はほぼ見たことがありません。なぜならば、よって、ときちんと文章で説明するからです。省略記号として用いるのは良いですが、いつでも普通の言葉に戻せるつもりで使いましょう。
∴、∵記号の意味と使い方、伝わりましたでしょうか。証明の文章の中でであっても、したがって、なぜならばの意味だとわかれば怖くありませんね。
木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。
A History of Mathematical Notations (Dover Books on Mathematics)
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