どうも、木村(@kimu3_slime)です。
大学数学に少し興味があるけれど、高校の数学、いや中学の数学から苦手意識がある。でも中学の教科書は捨ててしまった。そんな人もいるのではないでしょうか。
今回は、読み放題サービスKindle Unlimitedの対象となっている「中学3年間の数学を8時間でやり直す本」を紹介します。
どんな本か
中学3年間で学ぶ数学は、おおまかに分けて、
- 文字と方程式
- 関数
- 図形
の3つです。中学校では、1年生で文字→関数→図形、2年生で1年生で文字→関数→図形と、1学年の間にすべての分野に触れるカリキュラムになっています。
しかしこの本では、学年ごとの垣根を取り払い、分野ごとにまとまった内容となっています。前半では文字と方程式をガッツリ、中盤では関数、後半では図形……といったように。目次を見てみましょう。
目次
1 正の数と負の数
2 文字式
3 1次方程式
4 連立方程式
5 因数分解と展開
6 平方根
7 2次方程式
8 確率
9 1次関数
10 関数\(y=ax^2\)
11 図形
12 三平方の定理
まずこうやって中学数学の全体像をつかみ、どの分野が得意・苦手なのか考えてみるのは、理解をすすめることになるでしょう。まず、何がわからないかを知るのは大事なことです。
例えば、2次方程式のページを読んでみて、難しいと思ったら、その一個前の平方根を読めば良いわけです。数学は単元と単元の間の関連が強い科目です。わかる部分まで戻りましょう。関連する項目が近くに並んでいるので、学び直しには良い配置です。
特徴
実際のページレイアウトを見てみましょう。
章ごとに、説明文と、「ここがコツ」という強調表示があります。これさえわかれば良いというポイントがひと目でわかるようになっているのは便利です。
また、この本の特徴的で良いと思った点は、単に回答の書き方を指導するだけでなく、問題文の読み解き方や思考の手順が具体的に記されていることです。
小学校の算数から中学校の数学になって難しいと思うことのひとつが、中学数学の独特の記号の書き方、式変形のやり方です。それが、
\(4ab+8ac\)を因数分解してください。\(4ab\)と\(+8ac\)が何で割れるかをみてみると、\(4a\)で割れます。この\(4a\)が共通因数です。因数分解では、この\(4a\)を\(( \quad)\)の外に出します。
といったようにステップ・バイ・ステップで解説されています。著者は小学中学高校生に個別指導を長年行ってきたので、学ぶ人のつまづきやすさを意識した文章が書けているのでしょう。
教科書やドリルの回答は計算式しか書いていないことがありますが、一気に頭の中でやろうとするとわからなくなりやすいものです。証明問題にもこうしたアドバイスが書かれています。計算式だけでなく、思考の手順を学びましょう。
気になる点
全部で132ページと短くまとまっています。手軽に読めるようにかかれていますが、もう少し例や解説がほしい人はいるかもしれません。
高校受験対策の計算ドリルにはなりません。ただし、ここに書いてあることが身につけば中学数学は十分、普通の受験や高校数学には何も困ることがないと思います。
また、近年は中学数学にデータの活用(統計)が入りましたが、それは本書では扱っていません。ただし、確率、樹形図を使った求め方は書かれています。
また、Kindle版は、ページのデータが画像となっています。スマホなど小型の端末だと、拡大しないと見えにくいかもしれません。PCで見る限りは、赤い色もあって見やすいですが。また、テキストにハイライトを入れることはできません。
あくまでこの本は、中学数学の中身を学び直すことが目的の本です。中学数学が、ほかの教科や実社会でどう応用されるかといった話は書かれていません。高校数学を学び始めたけど、中学数学で不安なことがあるからこの本で復習しよう、という使い方が良いと思います。
僕は「中学3年間の数学を8時間でやり直す本」を、Kindleの読み放題サービスKindle Unlimitedで読みました。登録してあれば無料なので、ぜひ試しに読んでみてください。中学数学ができるようになれば、高校数学や大学数学にチャレンジしやすくなるでしょう。
木村すらいむ(@kimu3_slime)でした。ではでは。
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